Reflection/スゥ・ドーホー

Reflection/スゥ・ドーホー展
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銀座、メゾンエルメスで行われているスゥ・ドーホー展に行って来ました。
ここで、行われている展示はいつも良質で感心させられるのですが、今回の展示例外ではなく質は高いと言えるでしょう。
展示内容を言語のみで描写するのは難しいので、足を運んでもらいたいのですが、紹介までに。

エルメス8階の展示スペース、二層吹き抜け部分を贅沢につかっています。
彫刻作品といって言いと思うのですが、その素材は薄いブルーのファブリック。といっても厚いモノではなく網のようなモノです。その網を丁寧に縫い合わせて、立体的なオブジェを作り出しています。
そのオブジェというのが、作家の生まれた家にあった門らしいです。
その門が、二層の吹き抜け部分を分割する同素材で作られた平面に建っているのです。
描写するのは難しいですね。

万人が美と感じるものが存在するのか、どうかというのは、僕の中に常にある疑問なのですけど、この作品には、多くの人に美を感じさせる要素があると思います。
ファブリックの繊細さと、透き通るような透明感。メゾンエルメスの美しいガラスブロックから入る光。
この要素が、重なり合って、この作品の美しさは際だっているといえるでしょう。
作品自体は、独立的なモノですが、スペースへの配慮が非常に感じられます。

国際的な作家の作品をみていつも感じるのが、スペースの使い方のうまさですね。
場所の力を作品に取り込む。大げさに、場所を読みとって作りました。という作品ではなく、ペインティングですら、そこまでのことを忠実に考え作られているように感じます。

このギャラリーで配られるカタログがまた秀逸なので最後に紹介しておきます。
毎回きまったA5ほどのサイズフォーマットで作られており、薄いですが、作品の写真や解説文などが収められており、長く保存しておきたくなる気持ちをおこさせます。
これも、エルメスの力ですね。

見る価値のある展示ですので是非。