吉村順三

が、新日曜美術館で特集されていました。
軽井沢の山荘という傑作を残した建築家です。
今、東京芸大の美術館で、回顧展をやっているので
それにあわせて企画されたのだと思います。
ほとんど、過去に撮影されたと思われる映像を
再編集したものでしたが、建物を写真ではなく
映像としてみることは、現実とはまだ
遠く離れていますが、少しは雰囲気を伝えるのに
有効かと思われます。


吉村順三は、大好きな建築家の一人で、
その設計に対する心構えや、思想には、
ほんとうに感心させられます。
吉村建築の思想を知るのに良い本は、
吉村順三・住宅作法なんですけど
たぶん、もう絶版になっているので本屋では手に入らないです。
弟子の一人である、中村好文との対話で、
平易な言葉で語られますが、内容は深いです。


番組の中で、
藤森照信が、吉村さんはプロ好みの建築家で
建築を専門としない人にその良さを伝えるのが難しい
というような事を言っていました。
確かに、そう。
一見すると普通に見える建物が多いのです。
でも、細部にわたるまで非常にこだわっている。
吉村は、意図的に普通さを装っていた訳ではないのですが、
ぱっと見の普通さが、プロに好かれる要因の一つになっているわけです。


そんな流れで、普通さとはなにか、
普通を装う事とは何か。
みたいなことを考えてしまいました。
この考察は、初期のアトリエワン作品、みかんぐみ
作品、スイス建築についての切り口になると思います。
アートでは、対象とされるものがあるだろうか?

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web上での他の方々の考察。
考察の参考にどうぞ。


キラキラ・サ・ラウンド
http://d.hatena.ne.jp/surround/20051127


paint/note
http://d.hatena.ne.jp/eyck/20051128

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