小石川植物園の一角。総合研究博物館小石川分館。
昼休みを利用して、森万里子展に足を運んだ。
森さんの作品を見たのは、2回目。
一回目は、掛川資生堂ギャラリーでの、初期の写真作品。
本格的に、立体、彫刻を作り出してからの作品は見ていなかったので楽しみだった。
暗闇で光をはなつ、彫刻作品と、リチャードロングのアースワークを思い起こさせる、写真。写真、ドローイングが主な展示品。
作品を見ていて、椹木野衣森万里子批判を思い出す。
その内容は、技術的なところが稚拙だというようなことだったと思う。
確かに綺麗。写真ばえすると思う。
でも、実際にみたそれは、すこし薄っぺらい気がする。
作品を、洗練化させる方法論をとるならば、もっとやらなければいけないとおもう。

僕は、美術や表現は、技術だけが求められるべきではないと思う。
何を、どうしたら表現できるのか、それを具現化する技術。それが必要ではないだろうか。
その技術は、一つの美なるものを目指して用いられるものではなく、より多様性に富んだものだと思う。

このコトを考えていつも思い出すのは、諸星大二郎のマンガだ。
諸星の絵は、決してうまくはない。画力は低いと言われている。
でも、諸星のマンガのストーリにはあの絵がしっくりくる。
鳥山明の絵では、あの雰囲気が再現できるとはとうてい思えない。

そういう、コトを考え、この展示を見ると、もう一つかなあと思ってしまう訳です。
森さんのやろうと思っていることが彫刻にうまく反映されていないのではと。

時間がなかったので、足早での見学になってしまったが、機会があれば、もう一回じっくりみたい。